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貸借対照表、損益計算書等は、ある意味会社が国に税金を納めるために作成しているものでもあり、実際のお金の動きとは連動していない部分も多くあります。
例えば売掛金は、損益計算書上では利益になっていますが、実際に現金はまだ手に入れていない状態です。経費面で見ても、減価償却費は経費計上されますが、これは実際の現金支出を伴いません。
PERはこれら財務諸表に記載された当期純利益を元に計算されるため、実際の現金収支とは異なるものを基準にしていることになり、少し危うさがあります。
それに対して、実際の現金収支に着目して、その増減を記載しているのがキャッシュフロー計算書です。
粉飾決算とまではいかなくても、損益計算書上の利益はある程度操作可能なところがありますが、現金収支に関しては操作が難しいです。
現金収入が着実に積みあがっているような会社は優秀といえますので、キャッシュフロー計算書(その中でも特にフリーキャッシュフロー)をチェックするのは大切な作業の一つとなります。
キャッシュフロー計算書には、3種類のキャッシュフローが記載されており、それぞれ「営業キャッシュフロー」「投資キャッシュフロー」「財務キャッシュフロー」と呼びます。
商品を販売したりサービスを提供することにより得ることが出来る、会社の営業活動を通しての現金収入です。
商品やサービスを提供するために必要となる固定資産の取得・売却、有価証券の取得・売却に伴う現金収支です。通常設備投資(固定資産になる)は継続して行うため、ここはマイナスとなります。
銀行からの借入金や社債などによってどれだけ現金の移動があったかを示します。銀行から借り入れするとプラスになり、返済するとマイナスになります。
営業キャッシュフローと投資キャッシュフローを足したものがフリーキャッシュフローであり、これはつまり、営業活動で儲けたお金から、営業活動を継続するために必要な設備投資のお金を引いたものであり、これがプラスであるということはどんどん儲けがたまっていく会社であるということです。
過去5年ぐらい、フリーキャッシュフローがプラスで推移している会社は、着実に儲けを蓄積している会社といっていいでしょう。
このフリーキャッシュフローの過去5年分の推移は、有価証券報告書で閲覧することが可能です。
有価証券報告書の閲覧にはEDINETを利用します。