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定量分析を行うことによって、1.儲かるビジネスを行っている、2.年々成長している、3.株価が割安、という会社を見つけることができますが、それが将来にわたって続くことなのか、それとも成長が止まってしまうのかという問題があります。
それを分析していくのが定性分析です。
まず、どうしてその会社が儲かっているかということがわからないと、今後も成長するかどうかの判断が付きません。また儲かっている理由が複雑だと、将来を読むことが難しくなります。
悪い例の一つとしてライブドアを上げますが、あの会社は本当は何で儲けているのか、さっぱりわかりません。有価証券報告書をじっくり読んでいくと、どうやら株の売買で儲けているなというのが分かってきます。
これは儲かってる理由がわかりにくい会社の一つの極端な例であり、またそのような会社が行き着く先というのも不幸なものです。
それに比べて100円ショップなどは分かりやすい例の一つでしょう。
物を売るための店舗を構えて(設備投資して)、商品を納入して、それを売り、現金収入を客から即金で得るという、非常に明快なビジネスモデルです。
100円ショップを展開する九九プラス等は、月次の売上データも公開しているため、決算内容もある程度予測できてしまいます。
独占的な事業を行っていれば、安定成長も達成しやすいです。
例として、一昔前までのテレビ局があります。テレビ局では、国から電波の利用権を優先的に与えられており、新規事業者というものが存在しません。そのため独占企業として君臨することができ、社員の給料も高止まりしています。
ただインターネットの登場によってテレビ放送は独占的事業ではなくなってきており、競争の激しい分野になろうとしています。
儲かるビジネスを行っているからには、他社に比べて何か差別化できるものがないとそれを継続できません。儲かるビジネス分野には新規事業者が参入して競争が激化しやすく、他社との差別化が重要となるからです。
他社との差別化には2種類あります。
一つは価格競争力、もう一つは非価格競争力です。価格競争力に強い企業の例としては、DELLがあげられます。徹底したコスト削減体制により、他社より圧倒的に安くパソコンを製造&販売するこの企業の成長のポイントは、強い価格競争力にあったといっていいでしょう。
非価格競争力に強い企業の例としては、例えばソニーがあげられます。
例えばまったく無名企業の製品と、ソニーの製品で、性能と価格がまったく同じなら買うのはソニーのはずです。それはソニーには、ソニーブランドという非価格競争力があるからです。(もっとも最近では韓国のサムソンにもブランド力で負けつつあるような状況ですが・・)
もう一つの特徴として、他社の成長を利用できるかどうかという点があります。
例えば広告業などは、一般の企業が成長すればするほど広告のニーズも高くなるので、一般の企業の成長にあわせて成長することが出来ます。アメリカのgoogle等がその代表でしょう。
以上の分析を行った結果、最終的に残ったものに対して投資を行っていくことになります。
次の章ではいよいよ実際に各企業の分析を行っていきます。