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さてこれまでは財務諸表の見方や様々な投資指標について勉強してきましたが、ここからはいよいよ個別企業の分析方法について解説していきます。
個別企業の分析にも、数値データからわかってくる内容と、事業内容や経営者、主要株主、業界動向等、数値にはあらわせないデータからわかってくる内容とがあります。
前者の分析を定量分析、後者の分析を定性分析と言います。
まずはすべての指標の基本であるPERを算出することから始まります。この時に利用する利益は、将来の予想値を用います。
会社四季報には将来の予想一株当たり利益が記載されていますので、これを用います。
PERは「株価÷一株当たり利益」で計算されますので、現在の株価を調べてPERを算出します。
これがある程度低ければ、次の分析へ移ります。
各社のIRホームページには、売上高や経常利益の推移データがおいてあることが多いですが、これも会社四季報にのっていますので、それを活用してチェックしましょう。
売上高や経常利益が年々増えている企業であれば安心なのですが、これが増えたり減ったりしている企業だと将来の業績予想が難しくなります。そのため売上高や経常利益が年々増えている企業を選ぶことがポイントとなります。
貸借対照表と損益計算書からバフェットの利益率を計算することにより、その会社が儲けやすい体質なのか、それともかなり無理をしないと儲けられない体質なのかがわかります。
儲けにくい会社に投資しても、投資効率が悪いだけですので、この利益率が高い会社に投資しましょう。
有価証券報告書から、その会社の資金が安定して増えているのかどうかがわかります。
なるべくならフリーキャッシュフローが常にプラスの企業を選びましょう。
株主資本比率は、以下の式で計算されます。
株主資本比率 = 株主資本 ÷ 総資産
その会社がどれだけ借金をしているかがわかります。(運転資金の量によって変わってくるところもありますが、平均的には株主資本比率が高いほど借金が少ないです。)
借金は一概に悪いとはいえないのですが、借金額が低いほど安定した経営であるといえます。