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最初に、車雑誌のGooで有名なプロト・コーポレーションの分析から行います。
まず最初はPERをチェックすることから始まります。会社四季報から「将来の予想一株当たり利益」をチェックし、現在の株価をその値で割ります。
1620円(2005年1月28日現在) ÷ 31.88円 = 50.8倍
理想的にはPERは10前後であって欲しいですが、この会社のPERはずいぶんと割高な値になりました。
後に詳しく解説しますが、これはこの企業が2006年3月期に減損会計を適用することによって、特別損失を計上しているからです。会社の営業活動による収益性としては申し分ありません。そのことをチェックするために、EV/EBITDA倍率を計算してみます。
EVは時価総額+有利子負債+現預金で表されます。
会社四季報からこの会社の発行済み株式数は8,725千株であることがわかりますので、これに株価の1620円をかけたものが時価総額です。
有利子負債も会社四季報にのっていて、51百万円(2005年9月中間期時点)であることがわかります。
現預金は有価証券報告書から調べます。EDINETからプロト・コーポレーションの有価証券報告書を開き、キャッシュフロー計算書から現金および現金同等物の値をチェックすると、4,618百万円(2005年9月中間期時点)であることがわかります。
つまりEV=14134百万円+51百万円−4,618百万円=9567百万円となります。
次にEBITDAを計算します。
EBITDAは営業利益と減価償却費の和で表されます。まず営業利益についてですが、これを調べるためにプロト・コーポレーションのホームページを開きます。そこから「IR情報」タブをクリックし、「IRライブラリ」をクリックし、平成18年3月期中間の決算短信PDFを開きます。そこには18年3月期の連結業績予想というものがあり、経常利益1,830百万円と記載されています。これは営業利益ではありませんが、この会社は有利子負債が少なく、営業利益と経常利益があまり変わらない体質の会社なので、仮にこれを営業利益として計算します。
減価償却費は、キャッシュフロー計算書に記載されており、96百万円(2005年9月中間期時点)であることがわかります。これは半期分ですので、おおざっぱに計算して通期では2倍の192百万円となります。
つまりEBITDA=1,830百万円+9567百万円=2,022百万円となります。
以上からEV/EBITDA倍率=9567百万円 ÷ 2,022百万円=4.7倍と計算できます。
この値が5倍以下であるということは、なかなか割安だと言って良いでしょう。
会社のホームページでは、売上高や経常利益の推移がわかりやすく表示されていることが多いです。
プロト・コーポレーションの場合は、こちらで閲覧可能です。
2003年から2005年まで売上高や経常利益は横ばいという感じですが、これは紙媒体の雑誌を中心とした事業からインターネットを中心とした事業へと移り変わることによる停滞と思われます。
潜在的な成長力はまだあるのではないかと思います。
プロト・コーポレーションHPから決算短信を開くと、貸借対照表の資本の部に「利益剰余金」という項目を見つけることが出来ます。これが高いということは過去多くの利益を積み上げてきた会社ということであり、この会社も過去の経営が順調であったことがわかります。
会社の安全性を示す指標として株主資本比率がありますが、これは株主資本を総資本で割ったものです。決算短信から総資本(資産合計)は15,523百万円、株主資本合計は9,033百万円であることがわかりますので、株主資本比率は58%となります。過去の経営が優秀で利益を多く積み上げてきたため、株主資本比率も高い値になったのでしょう。
具体的な計算は省きますが、収益性を示す売上高経常利益率は11%、効率性を示す総資産回転率は1.26倍と、申し分ありません。
そのため総合指標であるRoAも11%と、キャッシュリッチな企業にしてはなかなかの値です。
まず、プロト・コーポレーションが何によって儲けているのかを考えます。
会社の事業内容を見るのには様々な方法がありますが、会社のホームページを閲覧するのが一番手っ取り早いでしょう。会社のホームページには決算説明会で用いた資料を公開していることもあり、これらを閲覧するのも有効な手段です。プロト・コーポレーションの場合はこちらに資料がおいてあります。
この会社の収入源は、雑誌やWEBへの広告掲載料です。またWEBの場合はや成約手数料も収入源となります。雑誌を印刷する費用やWEBでの情報発信費用はたいしたことありませんので、それが売上総利益率が高い原因となっています。
ただこの世界は競争が激しいため、競争に打ち勝つことが今後の成長のキーポイントとなります。
ポータルでは知名度が今後の成長性を占うキーポイントとなります。「Goo」という知名度=ブランド価値をどこまで上げることが出来るかが、競争に打ち勝つポイントなのでしょう。
競争に打ち勝つことが出来るかどうかに若干の不安はありますが、もし今後成長が打ち止めになったとしても、株価は十分に安い水準です。これ以上株価が下がるリスクは低いと考えられます。
逆にインターネットビジネスにおける今後の成長が明確になったときは、株価を大いに押し上げる材料となります。
総合評価としては、株価が下がるリスクは限定的、成長の可能性は大いにあり、といったところでしょう。